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鍵を閉めたか不安になる

「ドアの鍵かけたっけ?」と「ガスコンロの火は止めてたっけ?」と、ふと不安になって家に帰った経験は、誰にでもあることでしょう。でも、出かけるたびに心配になって家に帰ることが頻繁に起こるようになっていたら、なにか精神的な病気にかかっている可能性があります。

「鍵を閉めたか不安になる」について
認知症センター・豊田院長の見解

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監修者:豊田早苗院長
「不安・気になる」は認知症では起こりえない

カギを閉めたか自分の行動の記憶があやふやで、気になってしまうことがありますよね。これは、「カギを閉めた」という確信が持てないために、不安感が生じている状態です。

認知症でおこる「鍵の閉め忘れ」「水道の閉め忘れ」とは、少し違います。
認知症の場合は、自分が行なった行動自体を忘れてしまうので、後で「鍵を閉めていなかったかも」と思い出すことはありません。つまり、「鍵を閉めたかどうか気になる、不安になる」という訴えは、認知症では起こりません。

単なる物忘れでは、記憶のすべてを忘れてしまうことはなく、部分的に記憶が曖昧になるだけです。自分の記憶が曖昧という自覚もあります。あとから思い出して、「あれ?どうだったかな?」と思ってしまうので、「気になる」「不安になる」という感情が生まれてきます。

ただし、物忘れ症状が軽度である初期の認知症では、記憶の曖昧さが自覚でき、単なる物忘れと同じように不安感を感じてしまうことがあるので注意が必要です。

監修者・豊田早苗医師について
とよだクリニックの院長兼、認知症予防センターのセンター長で、講演会実績も多数あり。著書には、「日本全国ご当地自慢脳トレブック」、「認知症予防ハンドブック」など、認知症予防に関する数多くの書籍を執筆。「病気を診るのではなく、人を見る」を理念に掲げ、患者さん一人ひとりに手厚いサポートを行なっています。総合診療医学会・認知症予防学会に所属。
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鍵のかけ忘れで考えられる3つの病気

鍵を閉めたか不安になり、繰り返し確認することが頻繁に起こる症状を持つ病気として代表的なのが、「OCD」「軽度認知障害」「前頭側頭型認知症(ピック病)」の3つです。3つの病気を具体的に見ていきましょう

OCD(強迫症状)

強迫症状繰り返し頭に思い浮かび、消し去ることができない「強迫観念」に突き動かされ、不安を打ち消すために執拗に繰り返しされる行動のことで、「きちんと鍵がかかってるか不安になって、何度も執拗に確認する」などが代表的です。

本人もおかしなことだとある程度自覚していて、薬物療法や医師や心理士が行う認知行動療法で改善することができます。

軽度認知障害(MCI)

アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)の症状の中に「自分のしたことをすぐに忘れる」「同じ話を何度もする」というのがあります。進行すれば寝たきりになる病気ですから、専門病院での早めの受診が必要です。

前頭側頭型認知症

65歳未満の方が発症する認知症の一種に、前頭側頭型認知症(ピック病)があります。最終的には寝たきりになってしまう病気ですが、初期症状に同じ道をぐるぐる回ったり、机をたたきだしたりといった、OCDに似た「決まった行動をとる」というものです。

鍵のかけ忘れ対処法

鍵のかけ忘れの多さに悩んでいる方向けの便利なツールが登場しました。鍵を製造するメーカーの美和ロックが、鍵のかけ忘れをなくすために開発した「ChecKEY(チェッキー)」は、鍵を閉めると色が変わります。

ドアを施錠して鍵を引き抜くと、表示窓が白からオレンジ(逆回しの場合はオレンジから白)に変わるので、出先で鍵をかけ忘れたか不安になっても、鍵の色が変わっていれば間違いなく施錠しているとわかるので、OCDの方も安心して外出できます。

不安な人は念のために対策・検査を

「出かける時に鍵をかけ忘れたか気になって何度も確認する」ということが、繰り返して起こる時は、強迫神経症や軽度認知障害(初期アルツハイマー型認知症)、前頭側頭型認知症にかかっている可能性があります。不安な方は、早めの対策・検査が肝心です。

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