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物忘れがひどい!その行動、危険な症状かも?

厚生労働省の発表(2014年)によると、認知症患者数は約460万人。認知症の前段階、軽度認知障害の患者は400万人いるとされています。

65歳以上の約4人に1人が認知症や軽度認知障害の患者。高齢化が進む日本では、今後、さらに認知症患者が増えると予測されています。

「物忘れは年のせい」と軽く考えていると大変なことが起こるかもしれません。「物忘れ」が初期症状として現われる病気は少なくないのです。

こんな「物忘れの症状」は要注意!

物忘れにもいろいろあります。まず、どのようなことを「忘れる」のか、チェックしてみましょう。

  1. 人の名前が出てこない(思い出せるなら加齢による物忘れ、思い出せないなら認知症)
  2. 会話に「あれ」「これ」が多い(加齢による物忘れ)
  3. 寝室に物を取りに行ったのに、寝室に行った途端何をしにきたか忘れる(加齢による物忘れ)
  4. 会議など重要な約束の予定を忘れた(タイミングよく記憶が戻らない「展望記憶」、うつ病の可能性も)
  5. 料理の味付けが濃くなった(生活に支障が出る程度なら認知症の疑いあり)
  6. 同じ話を繰り返す(認知症の疑いあり)
  7. 昨日の夕食のメニューではなく、食事をした記憶そのものがない(認知症の疑いあり)
  8. 車の運転中に方向がわからなくなる(認知症の疑いあり)
  9. ろれつが回らない(脳卒中や認知症の疑いあり)
  10. 鍵を閉めたか不安になる(強迫神経症や認知症の疑いあり)
  11. よく物を落とす(多発性硬化症や認知症の疑いあり)
  12. やる気が出ない、気分が落ち込む(うつ病や認知症の疑いあり)
  13. 集中力がない(うつ病や認知症の疑いあり)
  14. 数分、記憶が飛ぶ(てんかんや認知症の疑いあり)
  15. 意識がもうろうとするときがある(てんかんや認知症の疑いあり)

「物忘れは認知症の入り口」ともいえる症状であることがわかります。

物忘れがひどい!「症状から見る」病気と対策

これまで上げた、物忘れの症状に対して考えられる病気と対策について紹介をしていきます。

【症状1】人の名前が出てこない

思い出せない

考えられる病気

名前が出てこない、という程度であれば老化によるものと考えられるため心配は必要ありません。ただ、相手と会ったこと自体を忘れている場合は、認知症が疑われます。

対策

人の名前は文字情報であり、この情報を司るのは脳の前頭葉です。前頭葉は、衰えるのが早く、年齢とともに萎縮する特徴があります。どうしても覚えておきたい人の場合は、朝に昨日会った人や出来事を思い出して書く「朝日記」がおすすめです。

【症状2】会話に「あれ」「これ」が多い

夫婦の会話

考えられる病気

アルツハイマー型認知症を発症すると、初期には喚語困難が見られるようになり、「あれ」「これ」といった表現が目立ってきます。症状が進むと理解の障害も見られるようになります。

対策

アルツハイマー型認知症は、早期の治療開始で症状の進行が緩やかにできる可能性があるといわれています。そのため、「何かおかしい」と感じたら早めに医療機関を受診することが大切です。

【症状3】寝室に物を取りに行ったのに、寝室に行った途端何をしにきたか忘れる

忘れた

考えられる病気

加齢による物忘れが考えられます。物を取りに行ったこと自体を忘れてしまった場合には認知症が疑われますが、物を取りに行ったことは覚えているなら、単なる物忘れであると言えるでしょう。

対策

単純に何を取りにきたかだけを忘れているなら、そこまで心配する必要はありません。何かを行うときにはメモをする癖をつけると、うっかり忘れがなくなります。

【症状4】会議など重要な約束の予定を忘れた

なぜだろうと考える

考えられる病気

予定や用事など、未来の事象に対する「展望記憶」は、単適切なタイミングで思い出せることが大切です。会議や人との約束などを忘れるのは、展望記憶を適切なタイミングで思い出す力が弱くなっていると考えられます。

対策

展望記憶を補強するには、目覚ましやアラームが有効。また、メモを机の上に置くのもおすすめ。ただ、あまりにも物忘れがひどいようであれば「物忘れ外来」の受診もひとつの方法です。

【症状5】料理の味付けが濃くなった

料理

考えられる病気

生活に支障が出るほどであれば認知症の可能性があります。特にアルツハイマー型認知症は味覚の低下という症状が出る場合があり、濃い味付けでないと満足できなくなるためです。

対策

濃い味付けが続くと、塩分摂取過多などを引き起こす可能性があります。そのため、メニューを工夫することも有効。例えば塩分を含んだメニューに頼るのではなく、酢や生姜、わさびなど刺激を感じられる味に調整してみましょう。

【症状6】同じ話を繰り返す

話

考えられる病気

同じ話を何度も繰り返すのは、アルツハイマー型認知症の典型的な症状。ただし、高齢者がうつ病を発症した場合にも、同じ話を繰り返すことがあるケースは珍しくないようです。

対策

原因が認知症なのかうつ病なのかをはっきりさせ、原因に合った治療が大切です。また、高齢者のうつ病は数年後に認知症に移行するケースも多いため、専門機関の受診が必要と言えるでしょう。

【症状7】昨日の夕食のメニューではなく、食事をした記憶そのものがない

思い出せない女性

考えられる病気

「食事をした」記憶そのものがない場合には、認知症が疑われます。認知症の症状として見られる物忘れの特徴は、ものごとの全部を忘れてしまう、というところにあります。

対策

食事の記憶そのものがないという症状は、認知症の典型的な症状。放っておくと症状が進行するため、医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。

【症状8】車の運転中に方向がわからなくなる

男性が車の運転で迷っている

考えられる病気

いつも通っている道で迷うといった症状が出る場合は、認知症が疑われます。症状が進むと、外だけではなく家の中でもトイレやお風呂の場所がわからないと言った症状が出てきます。

対策

専門の医療機関で検査を。認知症の種類によっては症状の進行を抑える治療薬もありますので、適切な治療を早めに受けるようにしましょう。

【症状9】ろれつが回らない

うまく話ができない

考えられる病気

認知症脳卒中の疑いがあります。ろれつが回らない症状に合わせて、足がもつれたり手足が痺れるなどの症状が見られる場合には、脳卒中の前触れであるケースも少なくありません。

対策

脳卒中が疑われる場合には、一刻も早く医療機関で治療を受けることが必要です。認知症と判断された場合には、治療とともに言葉のリハビリを行います。発声や口を動かすことで脳の動きが活発になることも期待できます。

【症状10】鍵を閉めたか不安になる

不安

考えられる病気

鍵を何度も確認してしまう場合には、強迫神経症が疑われます。強い不安を打ち消すための行為を繰り返すのが特徴です。また、鍵を閉めたこと自体を忘れる場合には、認知症も考えられます。

対策

いずれにしても症状が進行すると日常生活に支障が生じるため、医療機関を受診しましょう。強迫神経症は薬物療法が有効であるとされています。また、認知症の場合は症状が進む前の治療が必要です。

【症状11】よく物を落とす

手の画像

考えられる病気

多発性硬化症認知症の疑いがあります。多発性硬化症は脳や脊髄、視神経などの中枢神経が侵される難病です。また認知症の場合も手足に力が入らず、ものを落とす症状が出る場合があります。

対策

多発性硬化症の場合、免疫調整薬の投与が標準的な治療方法です。また、認知症を疑った場合は、認知症外来やもの忘れ外来など専門機関に足を運びましょう。

【症状12】やる気が出ない、気分が落ち込む

上を向く女性

考えられる病気

うつ病または認知症の可能性が考えられます。やる気が出ない、気分が落ち込む症状はうつ病の典型的な症状であるとともに、認知症でも同様の症状が見られるケースが少なくありません。

対策

うつ病の場合は専門医のもとで薬物療法や休息などの治療で症状の回復を目指します。また、認知症の場合でも専門医の受診が大切です。

【症状13】集中力がない

遠くを見る女性

考えられる病気

うつ病の場合、長時間同じ作業が難しくなります。また、認知症の場合も集中力や注意力の低下が見られます。例えばテレビなどの音があるだけで食事に集中できないといった症状が現れることも。

対策

うつ病の場合には専門機関で適切な治療を行います。投薬や休養により症状の緩和を目指します。認知症が疑われる場合は、集中力が必要とされる作業を含む趣味活動などを生活課題に設定し、症状の進行を抑えます。

【症状14】数分、記憶が飛ぶ

思い出そうとしている女性

考えられる病気

てんかんの可能性が考えられます。てんかんの症状の中には、痙攣を伴わずに数分間もうろうとし、記憶がなくなってしまう発作を起こすものも。また、記憶がなくなるという点で考えると、認知症の可能性もあります。

対策

てんかんは薬物療法で改善する可能性が高いため、神経内科の受診が勧められます。また、認知症の症状であると考えられる場合も医療機関を受診しましょう。

【症状15】意識がもうろうとするときがある

頭を抱える男性

考えられる病気

てんかん認知症の疑いがあると考えられます。てんかんの場合、発作が起きた直後は意識がもうろうとしていることもあります。

対策

てんかんの場合も認知症の場合も、専門の医療機関での治療が必要。また、てんかんの発作が起きて意識がもうろうとしている間、物にぶつかったり熱いものに触ったりする事故に注意しましょう。

「認知症」になってからでは手遅れ

認知症の有効な手立てがないのが、いまの医学です。とにかく大事なのは、脳を活性化すること。これで「物忘れ」をある程度防ぐことができます。十分な休養を取り、栄養バランスに気を配り、ストレスを避け、定期的に運動する習慣をつけるのが効果的です。

いまの自分または家族が大丈夫かどうか、認知症前段階の脳をチェックする方法として、脳活性総合研究所が提供するWebテスト「脳活性度定期検査(脳検)」があります。

これは現在医療機関行われる認知症判定テストとは違い、正常な時から自分の脳の認知機能レベルを定期的にチェック。未病の段階で早めに対策を講じるための補助ツールです。結果に応じて、必要な運動や生活習慣の情報が提供されるので、ぜひ脳の健康に役立ててください。