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レビー小体型認知症

レビー小体型認知症とは

レビー小体型認知症は、脳の神経細胞が減少する変性性の認知症で、アルツハイマー型認知症についで多く、高齢者の認知症の約20%を占めています。

アルツハイマー型と比べると認知度が低いですが、30~40代の若い人も発症し、発症率は男性が女性の約2倍になっています。

レビー小体型認知症について、
認知症センター・豊田院長の見解

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監修者:豊田早苗院長
最終的には寝たきりの状態に

レビー小体型認知症は、初期段階では物忘れは軽度で、幻視(いない人の姿が見える)やパーキンソン症状(手が震える、動きがぎこちない等)、自律神経症状(めまい、便秘、頭痛など)が症状の主体となるために、認知症ではなく、うつ病やパーキンソン病と間違って診断されてしまうことが多いです。症状に合わない薬を飲んだ結果、副作用に苦しめられてしまうことがあります。

アルツハイマー型認知症と同じく、脳内に脳のゴミ(α-シヌクレインの異常構造体=レビー小体)が溜まることで脳の神経細胞が破壊され、症状が起こります。

ただ、アルツハイマー型認知症と違って、徐々に症状が進行していくのではなく、調子が良く認知症とは思えない日と調子が悪くなにもできない日を交互に繰り返しながら、最終的には、脳の働きも体の動きも悪くなり、寝たきりとなってしまいます。

レビー小体型認知症を引き起こすレビー小体が溜まる原因は、脳の老化によるグルコセレブロシダーゼ(GBA)の活性低下。グルコセレブロシダーゼ(GBA)は、脳内にある糖脂質分解酵素で、その働きが悪くなると、脳内にグルコシルセラミドと呼ばれる糖脂質が溜まり始めます。

すると、もともと無害であったαシヌクレインが有害なレビー小体へと変わってきてしまうのです。

まじめで几帳面な性格の人が発症しやすい

レビー小体型認知症は、まじめで几帳面な性格の人、抑うつ傾向の人に多く発症する傾向があり、ストレスとの関係も示唆されています。

レビー小体型認知症にならないようにするために、脳の老化を防ぐ食事、運動、脳トレーニングを日ごろから積極的に取り入れるとともに、趣味活動などで息抜きをし、ストレスをためないようにしましょう。

監修者・豊田早苗医師について
とよだクリニックの院長兼、認知症予防センターのセンター長で、講演会実績も多数あり。著書には、「日本全国ご当地自慢脳トレブック」、「認知症予防ハンドブック」など、認知症予防に関する数多くの書籍を執筆。「病気を診るのではなく、人を見る」を理念に掲げ、患者さん一人ひとりに手厚いサポートを行なっています。総合診療医学会・認知症予防学会に所属。
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レビー小体型認知症の症状

レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症同様、大脳皮質の神経細胞内に特殊なタンパク質の一種(レビー小体)が付着し、脳の特定のグループの神経細胞が減少することによって起こる認知症です。その特徴は「記憶障害」「パーキンソン症状(動作が遅くなり転びやすくなる)」「幻視や幻覚」。患者自身には「自分が病気である」という認識がないため、家族による早期発見が大切です。

初期症状

レビー小体型認知症の初期症状は、便秘、嗅覚異常、うつ症状、夜中に急に目が覚めるレム睡眠行動障害ですが、物忘れも軽く、抑うつ状態の判断が難しいため、発見が遅れる場合があります。

その後に現れるのが段取りの悪さ、物忘れ、立ちくらみで、壁のシミを虫と勘違いする錯視、自分の家にいるのに「ここは自分の家ではない」と言いだす妄想も現れます。レビー小体型認知症は、「新しいことを記憶できない」のではなく「思い出せない」症状なので、家族がヒントを出すと、記憶が思い出せることがあります。

中期症状

運動の遅さや筋肉の硬さ、姿勢の不安定性、歩行困難、手の振るえなど、パーキンソン病患者と似た症状(パーキンソニズム)が悪化。物忘れがひどくなり、小動物や虫、小人、子供などが現れる幻覚や被害妄想も増え、日常生活の介助や支援が必要になってきます。

後期症状

歩行は不可能で車椅子を利用、日常生活に常に介助が必要になります。認知障害はさらに悪化し、嚥下障害から誤飲による肺炎を起こすようになります。

末期症状

寝たきりになってしまう最重度期で、他の認知症より進行が早く、発症してからの平均生存期間は10年未満。発症から1~2年で急速に進行して死亡することもあります。

レビー小体型認知症の治療

レビー小体型認知症は、パーキンソン病と同様に「α-シヌクレイン」というタンパク質が関わっていて、コリンエステラーゼ阻害薬が有効とされています。

レビー小体型認知症の薬剤として保険が適用されているのは、アルツハイマー型認知症に処方されている「ドネペジル塩酸塩」のみですが、投与することで、幻視や妄想、抑うつ状態が改善されます。

ただし、投薬は脳内にあるレビー小体を排除する働きがあるわけではありません。家族は、認知症高齢者の気持ちを否定せず、根気強く接していく必要があります。

レビー小体型認知症の予防

レビー小体型認知症は、他の認知症よりも進行が早いですが、早めに気づいて医師の適切な診断とケアプランを立てることで、被害妄想などの精神症状や、行動異常をある程度予防し、日常生活への支援を行えます。

家族の「この動きがおかしいかも」と感じた時は、まずは「脳のチェック」をしてみましょう。