物忘れ対策カタログ » 物忘れの放置は病気になる危険性が » 脳血管性認知症

脳血管性認知症

脳血管性認知症とは

認知症の20%を占める脳血管性認知症は、脳の血管が詰まるタイプの認知症で、60歳以降から発症が増え、女性よりも男性に多い症状です。高血圧症や高脂血症の人が脳出血や脳梗塞を起こし、それがきっかけで発症しやすいため、脳血管性認知症は、生活習慣病の一部とする考え方もあります。

脳血管性認知症について、
認知症センター・豊田院長の見解

イメージ
監修者:豊田早苗院長
脳梗塞や脳出血の影響で起こる認知症

脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血により、脳の神経細胞がダメージを受けたことで起こる認知症です。そのため、脳梗塞や脳出血が起こった部位に一致した脳機能低下が症状となります。

具体的には、物忘れはほとんどないか軽度の場合が多く、たとえば計算できない、感情の起伏が激しい、物事を計画的に行うことができないために1つのことをするのに時間がかかる、固有名詞が出てこないなど、アルツハイマー型認知症のようにさまざまな症状がでるのではなく、限局的症状(1~2つの脳機能低下症状)が出ます。

生活習慣病にならないように

脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血が原因のため、脳梗塞や脳出血が再発するごとに症状が急激に悪化していきます。脳梗塞や脳出血を起こさないこと、再発を防ぐことが、脳血管性認知症を予防するとともに、症状の悪化を防ぐことになります。そのためには、生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症)にならないようにすること、血圧や血糖値をきちんとコントロールする必要があります。

具体的には、下記のようなことを行なうと良いでしょう。

  • 塩分の取りすぎに注意し、しょうゆや塩ではなく、昆布や鰹節などのダシをうまく使って、料理の味付けをする
  • 1日3食きちんとたべる
  • 間食をしすぎないようにする
  • 適度に体を動かす習慣をつくる
  • 脂身の多い肉や揚げ物を食べ過ぎないようにする
  • 野菜や海藻、キノコなど食物繊維の多い食品をしっかりとるようにする

監修者・豊田早苗医師について
とよだクリニックの院長兼、認知症予防センターのセンター長で、講演会実績も多数あり。著書には、「日本全国ご当地自慢脳トレブック」、「認知症予防ハンドブック」など、認知症予防に関する数多くの書籍を執筆。「病気を診るのではなく、人を見る」を理念に掲げ、患者さん一人ひとりに手厚いサポートを行なっています。総合診療医学会・認知症予防学会に所属。
監修者情報ページへ

脳血管性認知症になる原因

脳血管性認知症の原因は、脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血など脳の血管が詰まる病気。ただし、脳血管性認知症は、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症と異なり、脳の神経細胞が減るのではなく、脳細胞が部分的に死滅しているだけで、完全に機能が失われているわけではありません。

日によって状態がいい時も悪い時もあるため「まだら認知症」と呼ばれています。

脳血管性認知症の症状

脳血管性認知症の症状は、脳血管障害の再発や頭部打撲などが原因になって段階的に進みます。

  1. 両脚を大きく開く不安定な歩行をはじめる
  2. 怒りっぽくなり、うつ病に似た意欲低下である「アパシー」が現れる
  3. ろれつが回りにくくなり、物を飲み込みにくくなる
  4. 新しいことを覚えられない記憶障害
  5. 失禁 頻尿や尿意切迫などの失禁

アルツハイマー型認知症と違う点は、本人に認知症の自覚があること

脳血管性認知症は、徐々に症状が進行するアルツハイマー型認知症と異なり、突然症状が出現したり、落ち着いていると思うと急に悪化することを繰り返したりしながら、段階的に進行します。

脳血管性認知症の治療

脳血管性認知症は脳梗塞や脳出血を繰り返して悪化します。

原因になる脳疾患を再発させないために、日常生活で高血圧や糖尿病などをコントロールすることが重要です。

血液をサラサラにする薬剤、意欲の低下、興奮などの症状に脳循環代謝改善剤、抑うつに対して、抗うつ剤を使うケースもあります。

血管性認知症は、脳そのものが機能低下しているわけではありません。残存している機能や記憶もあり、運動機能はリハビリテーションによって回復する可能性があります。

医師や作業療法士などの指示のもと、家族がリハビリテーションをサポートする、それが脳血管性認知症を予防する最良の方法です。

脳血管性認知症を予防する

脳血管性認知症の予防は、血圧を下げ、脳出血、脳梗塞などの生活習慣病を再発させないことです。塩分を控えた栄養価の高い食事、ウォーキングなどの軽い運動をしましょう。

ある程度は自分で動けるので、手すりの取り付け、風呂場での転倒防止マットの設置など、居宅のバリアフリー化も必要です。

いずれにせよ、最大の予防法は脳の状態を定期的に検査すること。自宅でできる方法もありますので、チェックしてみてください。