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アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症とは

アルツハイマー型認知症とは脳が萎縮し、認知機能が低下していく病気です。「アミロイド斑(老人斑)」と呼ばれる病変や、脳の萎縮によって頭蓋骨の間にすき間ができたりします。

アルツハイマー型認知症について、
認知症センター・豊田院長の見解

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監修者:豊田早苗院長
脳の老化スピードが速い・糖尿病の方は要注意

アルツハイマー型認知症は、認知症全体の半数以上を占める日本人でもっとも多い認知症のタイプです。脳内に、脳のゴミ(アミロイドβ)が大量に溜まることで、脳の神経細胞が破壊され、物忘れを主体とした認知症症状が出ます。

アルツハイマー型認知症は、症状が出るまでに約20年かかります。つまり、全く知らないうちに認知症へのスタートが切られてしまっているのです。

症状が出た後も、脳の神経細胞の破壊は止まることなく、最初は「すぐに忘れる」「水道や鍵の閉め忘れが目立つ」など年のせいによるものと区別がつかない物忘れであった症状が、月日を追うごとに、症状が進行。最終的には、家族の名前すらわからない、自分で服を着ることもできない、自分が今いる場所がどこかも分からない状態となってしまいます。

まったく知らないうちに病気が始まってしまうアルツハイマー型認知症ですが、脳の老化と糖尿病との関連性が示唆されています。

つまり、脳の老化スピードが速い人、糖尿病の人はアルツハイマー型認知症になりやすいのです。

脳の老化は、年とともに誰にでも起こることですが、日頃から認知症予防に効果的な食事や運動、脳トレーニングを生活のなかに取り入れること、そしてしっかり睡眠をとることで、脳の老化スピードを遅らせることができます。自分の生活スタイルを見直して、いつまでも若々しい脳を保つようにしましょう。

監修者・豊田早苗医師について
とよだクリニックの院長兼、認知症予防センターのセンター長で、講演会実績も多数あり。著書には、「日本全国ご当地自慢脳トレブック」、「認知症予防ハンドブック」など、認知症予防に関する数多くの書籍を執筆。「病気を診るのではなく、人を見る」を理念に掲げ、患者さん一人ひとりに手厚いサポートを行なっています。総合診療医学会・認知症予防学会に所属。
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アルツハイマー型認知症の症状

記憶には、即時記憶(すぐに思い出せる記憶)、近時記憶(数日前の記憶)、遠隔記憶(必要に応じて思い出す過去の記憶)の3種類がありますが、アルツハイマー型認知症は近時記憶の障害からはじまります。

進行するにつれて、見当識障害(自分がどこにいるかわからない)、遠隔記憶障害(家族のことを思い出せない)や徘徊なども現われ、発症から2~8年で約半数が寝たきり状態となります。

平均8~10年ほどで亡くなるケースが多く、半数が遺伝要素の少ない孤発性の病気とされています。

発症前期

本格的な発症の10年以上前から現れる「軽度認知障害」の段階。物忘れ・不安・抑うつなどの症状がありますが、この時点では日常生活を正常に送れています。

初期(発症から1~3年)

数日前のことが思い出せなくなり「物盗られ妄想」が出てきます。自発性が低下し、日時がわからなくなる時間の見当識障害、抽象的な思考や複雑な行為ができなくなる実行機能障害が起こります。

中期(発症から5~9年)

興奮しやすくなり、日常の簡単なことが自分でできなくなります。家族や昔の自分のことが思い出せなくなり、今いる場所や、自分が誰なのかもわからなくなり、頻繁に徘徊や迷子になります。

末期(発症から10年~)

記憶障害は悪化し寝たきり状態になっています。会話は困難で、便をさわるなど不潔な行動をとります。

アルツハイマー型認知症になる原因

アルツハイマー型認知症は、加齢によって脳に「アミロイドβ」や「タウタンパク」というタンパクがたまり、脳細胞損傷、神経伝達物質の減少などが起こり、脳全体が萎縮していきます。

スポーツなどによる頭部外傷、糖尿病や高血圧などの生活習慣病などが影響を与えることも知られているので、日常生活にも注意が必要です。

アルツハイマー型認知症の治療

アルツハイマー型認知症は、家族の理解がなによりも重要です。症状の進行を遅らせるために、神経伝達物質の量を調整するコリンエステラーゼ阻害薬「ドネペジル」、「ガランタミン」、「リバスチグミン」の3種類と、NMDA受容体拮抗薬の「メマンチン」を投薬します。

ただし、症状の進行を遅らせることをできても、脳の神経細胞が減っていく「神経変性」を止めたり、減った神経細胞を増やせるものではありません。

アルツハイマー型認知症を予防する

アルツハイマー型認知症は、早期発見が決め手になります。「最近、物忘れがひどくなったような気がする」と思ったときが、対策をスタートさせるサインです。

病院に行かずとも自宅で物忘れの度合を検査する方法もありますので、チェックしてみてください。