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更年期と物忘れの違い

50歳前後で起こる物忘れやイライラ、憂鬱など、自分が認知症になったのかと不安な人も多いでしょうが、その「物忘れ」は更年期の影響かもしれません。

更年期と物忘れの違いについて、
認知症センター・豊田院長の見解

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監修者:豊田早苗院長
更年期と加齢による物忘れは似ている

体が老年期にむけて変化していく時期である45歳~55歳の10年間を、更年期と言います。更年期には、男性であれば男性ホルモン(テストステロン)が、女性であれば女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少。 ただ、男性の場合は、女性ほど急激な減少がおこらないために体調不良を自覚する人は少ないです。

更年期に起こる症状の1つに物忘れがあります。更年期に起こる物忘れは、加齢による物忘れと似ています。

具体的には、

  • 「人や物の名前がでてこない」
  • 「2つ以上のことを同時に行うと、1つのことを忘れてしまったり、ミスする」
  • 「さっきまでは覚えていたのに、他のことをしている間に忘れてしまう」
  • 「あれもこれもと、沢山のことを覚えることができない」
  • 「自分が行った行動の記憶が曖昧で、不安になる」
  • 「鍵の閉め忘れや水道の閉め忘れなど、ミスが多くなる」

などが起こります。

物忘れ以外も症状が出る更年期

ただ、更年期の場合は、物忘れの症状だけが起こることは少なく、「顔がほてる(ホットフラッシュ)」「手足が冷える」「めまいや頭痛がする」「汗が異常に出る」「気分が落ち込む」「疲れやすい」など、物忘れ以外の心身の不調も同時に自覚します。

また、ホルモンの急激な減少が原因のため、更年期の時期を過ぎれば、自然に症状は回復しますし、認知症のように症状が日を追うごとに悪化していくこともありません。

監修者・豊田早苗医師について
とよだクリニックの院長兼、認知症予防センターのセンター長で、講演会実績も多数あり。著書には、「日本全国ご当地自慢脳トレブック」、「認知症予防ハンドブック」など、認知症予防に関する数多くの書籍を執筆。「病気を診るのではなく、人を見る」を理念に掲げ、患者さん一人ひとりに手厚いサポートを行なっています。総合診療医学会・認知症予防学会に所属。
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物忘れは更年期に起こりやすい

更年期は女性独特の不調のイメージが強いですが、男性にも更年期の不調があることがわかってきています。更年期の原因は女性ホルモンのエストロゲン、男性ホルモンのテストステロンの減少ですが、どちらのホルモンも記憶をつかさどる脳の「海馬」と関係しています。

女性の更年期障害

女性の更年期障害の症状として、ほてりや発汗、冷え、動悸、頭痛、物忘れ、うつ状態、不眠、イライラ、体のだるさなどがよく知られています。

女性ホルモンのエストロゲンには、神経伝達物質(セロトニンなど)の量を増やし、作用を増強する働きがあります。更年期にエストロゲン値が大きく変動すると、セロトニンなどの神経伝達物質が不足し、学習と記憶に関わる海馬や情緒をつかさどる扁桃体の処理速度が低下するため「物忘れ」をしやすくなるのです。

男性の更年期障害

男性ホルモンのテストステロンの分泌量は20代がピークで、その後徐々に減っていきますが、50歳前後で急激に分泌量が減った場合、更年期障害を起こしやすくなります。性欲の低下、意欲の減退、疲れやすくなる、集中力や記憶力の低下、短気、うつ状態、筋肉の減少、不眠など、症状はさまざまです。

脳の海馬には情報を一時的に短期記憶として保存し、重要な情報を忘れにくい長期記憶に変えるという役割がありますが、この海馬で作られているテストステロンは神経のシナプスを増強することがわかってきています。

更年期の「物忘れ」は治る

更年期障害はホルモンが急激に減ることで起こりますが、50歳を過ぎてホルモンの分量が落ち着くと、症状が落ち着いていきます。更年期障害の症状がきつい場合は、エストロゲンやテストステロンを投与するホルモン治療を検討しましょう。

更年期を乗り切る3つのポイント

更年期を乗り切るために、生活上気をつけることは3つあります。

運動

運動をすると体全体の血流がよくなり、脳を巡る血液量も増えるので、記憶を司る海馬が活性化します。

食事

生活習慣病を防ぐバランスの良い食事が基本ですが、ベリー類、コーヒーの抗酸化作用は認知機能を活性化させます。うつ病のリスクを下げるビタミンDが豊富な魚類をとること、脳と関連のある腸内の環境を整える工夫も大切です。

会話

脳の機能を低下させないためには、人と会話することも大切です。そのほかに、本を読む、旅に出るなどのさまざまな体験が多いほど、認知症になりにくいと言われています。

物忘れを更年期の影響と過信するのは危険

50代に起こる物忘れは、すべて更年期の影響とは限りません。認知症からくる物忘れの可能性も十分にありえます。いずれにせよ、更年期の物忘れ対策も将来の認知症予防も、運動や食事、脳活性化の努力が大切です。

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