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食事

物忘れに食事が対策になるわけ

年齢とともに多くなってくる物忘れ。脳の認知機能の低下が原因とされていますが、この機能をいつまでも若々しい状態で維持するためには、脳をはじめとする全身の健康状態に気を配る必要があります。

健康な体づくりに必要なもの、そのひとつが食事。脳は非常に多くのエネルギーを必要とする臓器ですから、しっかりと機能してもらうためには、1日3食バランスよく食事をすることが大切です。近ごろ物忘れが多くなった…と感じている方は、もしかしたら栄養が足りていないのかもしれません。一度、食生活を見直してみましょう。

認知症センター・豊田院長の見解

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監修者:豊田早苗院長
認知症対策に有効な食事について

食事は、健康を維持する上で、とても重要です。日々摂取する食べ物には、誰もが気を使いますよね。

認知症を予防するうえでも、食事は重要で、脳に悪影響を与える食べ物と脳に良い食べ物とがあります。認知症を予防するためには、脳に良い食べ物を積極的に摂取しながら、なおかつ、偏食にならないよう栄養バランスのとれた食事を心がける必要があります。

一体、どんな食事をすれば、認知症を予防できるのか?認知症を予防する効果のある食事、食べ物について簡単に説明します。

記憶力や集中力を高める食事
  • 青魚

青魚に多く含まれているDHAは、脳細胞同士が情報のやり取りを行う情報回線の構成成分で、主に記憶力や集中力を担当している部位に働き、情報回線を新たに作ったり、修復したりします。

つまり、青魚を食べることで、記憶力や集中力を高めることができます。「最近、物忘れが多くなった」という人におすすめです。

ただ、青魚に含まれているDHAは、水に溶けやすく熱に弱いという性質を持っています。焼き魚や煮魚として青魚を摂取しても、認知症予防に効果的な量のDHAを摂取することはできません。

そこで、おすすめなのが、缶詰です。

缶詰は、特殊な製法で加工され作られていますので、DHAの減少がほとんどなく、1缶で、十分すぎる量のDHAを摂取することができます。

脳細胞の減少を防ぐ食事
  • 青魚緑黄色野菜、豆類

脳の細胞は、20歳をピークに毎日20万個ずつ減少していきます。脳細胞が減少すると、脳の働きが悪くなり、物忘れやウッカリミスが増えてきます。

減ってくるのは葉酸で、それが不足するとホモシステインと呼ばれる物質が体内で増え、動脈硬化や脳のゴミ(アミロイドβ)の蓄積を促進させ、脳細胞や情報回路の減少を加速させてしまいます。

ビタミンの1種である葉酸が多く含まれているのが、ほうれん草、モロヘイヤ、パセリなどの緑黄色野菜や納豆、枝豆、そら豆などの豆類。

脳細胞の減少を防ぐために、葉酸をたっぷり含んだ緑黄色野菜や豆類を積極的に摂取するようにしましょう。

認知症を予防するために必要な葉酸は、1日240μgです(上限:900μg)。1日240μgの葉酸を取るために、どれだけ食べないといけないかというと、

  • 茹でたほうれん草なら 230g
  • 茹でたモロヘイヤなら 360g
  • パセリなら 22本
  • 茹でた枝豆なら 180g
  • 茹でた空豆なら 270g
  • 納豆なら 4パック

となります。

判断力や注意力を高める
  • カレーライス

最近、車のアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故や不注意による交通事故が増えていますよね。判断力や注意力を高める効果があるのがクルクミンで、カレーライスのカレーには、ウコン(ターメリック)の成分の1つであるクルクミンが含まれています。

ただ、1日10杯のカレーライスを食べないと効果はありません。はっきり言って、無理ですね。

そこで、一工夫!市販のカレールーでカレーライスを作る時に、調味料として販売されている粉末のターメリックを小さじ半分加えましょう。
こうすることで、カレーライス1杯で、効果を発揮することができるようになります。

海馬と頭頂葉を活性化させる食事
  • 魚介類とキノコ

前頭葉さえ鍛えれば、認知症が予防できるというような認識が広がっていますが、前頭葉だけを鍛えても認知症は予防できません。認知症も年による脳の老化は、前頭葉のほかに、海馬や頭頂葉にも起こってきます。

そこで摂取が必要となる食材が、しらす干し、にしん、鮭、イワシなどの魚介類や乾燥キクラゲ、干ししいたけなどのキノコ類。

これらの食べ物には、ビタミンDが多く含まれていて、脳細胞同士のつながり(脳の情報回線)を増やしてくれる働きがあります。とくに、記憶の中枢である海馬と空間認識や前頭葉へ視覚情報(目で見た情報)を伝える役目をしている頭頂葉の情報回線を増やしてくれます。

つまり、魚介類やキノコ類を食べることで、「道に迷う、間違える」「車を置いた場所が分からなくなる」「物につまずいたり、ぶつかりやすくなる」「車の車庫入れが下手になる」といったことを防ぐことができます。地理的なことは苦手、方向音痴、最近、車の運転が下手になったという方に、おすすめです。

認知症を予防するために必要なビタミンDは、1日20μgです。(上限100μg)1日20μgのビタミンDを摂取するためには、

  • サケなら 1切れ
  • ニシンなら 1.3匹
  • 丸干しイワシ(大)なら 2~3匹
  • 干しキクラゲなら 20枚
  • 干し椎茸なら 85枚
  • 乾燥シラスなら 150g(大さじ10杯)

となります。

認知機能改善に効果のある食品

すでに物忘れなど、脳の老化を自覚している方もいらっしゃると思います。そんなすでに脳の老化を自覚していても、大丈夫です。衰えてしまった脳の働き(脳機能)を改善してくれる食事があります。

  • 玄米

お米や小麦などの穀物には、フェルラ酸と呼ばれる成分が含まれています。フェルラ酸には、脳のゴミであるアミロイドβの蓄積を抑える、ホモシステイン酸の働きを邪魔して、脳細胞の破壊を抑制する作用があります。

ただ、フェルラ酸は、「ぬか」と呼ばれる精製段階で除去されてしまう部分に多く含まれています。このため、白米を食べる事の多い現代の食生活では、食事から摂取できる量は、わずかです。

そこで、おすすめなのが玄米です。玄米は、白米に精製される前の段階ですので、フェルラ酸が多く含まれています。玄米を食べることで、最近、物忘れがひどくなって、認知症が心配!という方でも、認知機能を改善させることができ、認知症を予防することができるのです。しかも、玄米ご飯2杯で、認知症を予防するために必要なフェルラ酸を摂取することができます。

穀物中のフェルラ酸

  • 米ぬか250mg/100g
  • 玄米41.8mg/100g
  • 精製白米9.4mg/100g

(ご飯茶碗に軽く1杯が100gです)

  • カマンベールチーズ(オレイン酸アミド、デヒドロエルゴステロール)

年を取ってくると、認知症の原因物質であるアミロイドβが溜まってきます。

アミロイドβが溜まると、脳の情報伝達が上手くいかなくなり、脳の機能が低下します。カマンベールチーズは、そんな脳のゴミであるアミロイドβを排除してくれるミクログリアの働きを活発にしてくれます。ミクログリアは、脳のゴミを掃除してくれる脳の掃除屋さんですが、それだけでなく、働きが悪くなった情報回路を修復したり、新しく作ったりもしてくれます。

ただ、ミクログリアの働きが活発になりすぎると、暴走して、正常な脳細胞も破壊してしまいます。1日1切れ~2切れ(約20g)のカマンベールチーズで、脳のゴミであるアミロイドβは綺麗に除去されます。この量であれば、掃除屋さんのミクログリアは暴走しないので大丈夫です。

監修者・豊田早苗医師について
とよだクリニックの院長兼、認知症予防センターのセンター長で、講演会実績も多数あり。著書には、「日本全国ご当地自慢脳トレブック」、「認知症予防ハンドブック」など、認知症予防に関する数多くの書籍を執筆。「病気を診るのではなく、人を見る」を理念に掲げ、患者さん一人ひとりに手厚いサポートを行なっています。総合診療医学会・認知症予防学会に所属。
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