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筋トレ(物忘れ対策)

軽度認知症の改善や物忘れ対策として、かつて筋トレが話題になったことがあります。太ももの筋トレ等を通じ、脳の神経回路の改善を目指す、という趣旨の対策です。現状、筋トレが物忘れ対策に有効かどうかは、見解が分かれている段階のよう。ここでは、物忘れ対策と筋トレとの関係について詳しく解説しています。

物忘れ対策と筋トレ

物忘れ対策としての筋トレについて、概要や特徴、やり方、注意点などを確認してみましょう。

物忘れ対策としての筋トレとは

筋トレとは、筋力トレーニングの略。つまり、筋肉を鍛えるエクササイズであれば、広い意味では何でも筋トレということになります。
ただし、物忘れ対策として話題になった筋トレは、主に太ももを対象としたもの。海外で行われた物忘れ対策としての筋トレでは、重りを持つ方法も行われたことがあるようです。

物忘れ対策としての筋トレのやり方

物忘れ対策としての筋トレが日本で話題になったときには、太ももを使った筋トレでした。以下、簡単なやり方をご紹介します。

支えてスクワット運動

椅子の後ろに背筋を伸ばして立ち、両手を椅子の背もたれに乗せた状態で、かかとを上げながら中腰になります。その後、かかとを上げた状態のまま、腰を上下に10回往復ほど動かします。太ももに負荷がかかるよう意識してください。

筋トレをやるときの注意点

筋トレで足に負担がかかりすぎて転倒などしないよう、無理のない程度でトレーニングをしましょう。また、ヒザ関節に痛みや持病を抱えている人は、ヒザに負担のかかるような筋トレをやらないよう注意してください。

物忘れ対策と筋トレに関連する口コミ

物忘れ対策と筋トレに関連する口コミはなし

物忘れ対策と筋トレに関連するエビデンス情報

筋トレが物忘れの改善に効果的であるとする説と、筋トレをやっても物忘れは改善されないとする説があります。それぞれの説について、簡単にご紹介しましょう。

筋トレが物忘れ対策に効果的であるとする説

認知症専門の診療所「オリーブクリニック御茶の水」(東京都文京区)では、認知機能の改善を目的に筋トレを導入しています。行っている筋トレは、主に太ももに負荷を与えるもので、定期的に通院している患者の中には「物忘れが減ってきた」と自覚している人もいるそうです。
同院で筋トレ指導を行っているのは、筋トレと認知機能との関連を研究した経歴を持つ本山輝幸氏。本山氏は「認知機能が低下している人が筋トレをしても、筋肉の痛みをほとんど認知できない」と説明しています。痛みを認知できない理由は、脳における感覚神経の伝達が悪いから。筋トレを通じて感覚神経の働きを回復させることで、徐々に認知機能が改善してくる、と本山氏は説明しています。

筋トレをやっても物忘れは改善されないとする説

イギリスのオックスフォード大学の研究チームは、329人の男女被験者を対象に、筋トレと認知機能との関連について4ヵ月にわたる調査を行いました。その結果、筋トレを含めた運動プログラムは、認知機能を改善させることはない、との結論を導き出しました。
運動の具体的な内容は、週2回の20分以上のエアロバイクと、重りを持ちながらの立ち上がり動作。加えて、週に1時間ほど自宅で運動することが推奨されました。
実験の結果、トレーニングが体力や筋力の向上に貢献していることは分かったものの、認知力の改善とは関連がないことが分かりました。

2つの学説を比較する

上記でご紹介した本山氏の学説と、オックスフォード大学の研究チームの学説について、結論は全く違うものとなっています。
ただし本山氏は「太ももの筋トレ」という無酸素運動を推奨していることに対し、オックスフォード大学ではエアロバイクなどの有酸素運動が主な実験内容となっています。
無酸素運動と有酸素運動は、使うべき筋肉の種類や体への負荷のメカニズムが根本的に異なります。よって、これら2つの学説を同じ土俵で比較することには、かなり無理があるかもしれません。
それぞれを別物の学説と捉え、以後のさらなる研究の深化に期待を寄せたいところです。

【まとめ】運動と認知機能との関係は研究され続けるべき

イギリスのアルツハイマー病協会に所属するサラ・イマリシオ博士は、運動と認知機能との関連について、今後ますます研究されていくべきだとの見解を示しています。その理由は、運動が多くの人々にとって楽しみの源になりえ、かつ、有意義な社会交流の機会を与えてくれるから、ということ。
運動を通じ、私たちは認知機能の改善につながる様々な要素(楽しみ、社会交流など)を体験します。そうである以上、運動と認知機能との関連は、今後も研究され続けるべきだと博士は考えています。