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運動

物忘れ対策に運動が効果を発揮する理由と、おすすめの運動法についてまとめています。

物忘れに運動が対策になるわけ

生活習慣病の予防手段として、有効とされる運動。糖尿病や高血圧といった生活習慣病は認知症の発症リスクを高める要因となるため、適度な運動を続けることは物忘れの対策としても効果的と考えられます。また、運動によって全身の血流が良くなると脳にも十分に血液が行き渡るようになり、脳機能の活性化にもつながります。

物忘れ対策としての運動でもっとも大切なのは、ムリのない範囲で楽しく続けることです。どんなに効果があっても継続できなければ意味がありませんし、イヤイヤ続けていてもストレスになるだけです。家族や友人と一緒に体を動かす、スポーツジムや運動教室に通うといった、楽しく続けられる工夫をしてみましょう。

運動に対する認知症センター・豊田院長の見解

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監修者:豊田早苗院長
認知症対策に有効な運動について

運動には、ウォーキングやジョギング、水泳やサイクリングなどの有酸素運動(息が上がらない軽い運動)と筋トレや短距離走のような無酸素運動(息が上がるような激しい運動)があります。

認知症予防に効果があるのは、有酸素運動です。有酸素運動のなかでもとくに、ウォーキングが認知症予防効果が高いと言われています。しかも、普段歩くスピードより少し早いスピードでウオーキング(早歩きウオーキング)を行うと、認知症予防効果がさらに高くなります。

物忘れ、さらには認知症を防ぐには、海馬の働きを維持することが大事です。脳の奥深く、底の部分にあり、記憶の中枢として働いている海馬がダメージを受けると、見たり聞いたり体験したことを覚えておくことができず、すぐに忘れてしまいます。

また、海馬は認知症でもっとも早期に障害される部位であるとともに、酸欠やストレスに弱い部位でもあります。ですので、大量の酸素を脳に届けてくれるウオーキングは、海馬の働きを維持してくれる手軽で最適な運動と言えます。

認知症予防に効果的なウオーキングのポイント
  • 1日最低でも20分歩く(8000歩)
    1日20分歩くと、高血圧や糖尿病も予防でき、アルツハイマー型認知症だけでなく、脳梗塞や脳出血が原因で起こる脳血管性認知症も予防できます。
  • 歩きながら、周囲の景色にも目を向ける
    歩いているときはただ前を見るのではなく、周りにも目を向けてみましょう。注意力や同時遂行力(複数のことを同時に行う)などを司っている前頭葉を鍛えることができます。
  • 毎回、違うコースを歩く
    歩くコースを変えるのも有効です。空間認識力(自分と物との位置関係)を司る頭頂葉を鍛えることができます。
  • 海馬、前頭葉、頭頂葉は、認知症では勿論ですが、年を取ることでも衰えてくる脳の部位です。ウオーキングは、この3つの部位を同時に鍛えることができるため、脳の老化も認知症も予防できるもっとも効果的な運動なのです。

    監修者・豊田早苗医師について
    とよだクリニックの院長兼、認知症予防センターのセンター長で、講演会実績も多数あり。著書には、「日本全国ご当地自慢脳トレブック」、「認知症予防ハンドブック」など、認知症予防に関する数多くの書籍を執筆。「病気を診るのではなく、人を見る」を理念に掲げ、患者さん一人ひとりに手厚いサポートを行なっています。総合診療医学会・認知症予防学会に所属。
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物忘れを感じたら行なうべきその他の運動

コグニサイズ

コグニサイズとは、国立長寿医療研究センターによって開発された認知症予防運動プログラム。コグニサイズとは、cognition (認知) とexercise (運動) を組み合わせた造語です。ウォーキングをしながら簡単な計算・しりとりなどを同時に行うプログラムで、脳の活性化に効果的。

とくに軽度認知障害(MCI)の方の認知機能維持・向上に効果があるとされているため、物忘れが気になる方は取り入れてみるとよいでしょう。

筋トレ

筋トレとは、筋力トレーニングの略称。最近では筋トレが認知症を予防するのではないかという考えから、医療現場でも筋トレを取り入れるケースが増えているようです。物忘れ予防対策として筋トレを行う場合は、太ももや腹筋といった「動かす筋肉」に意識を向けることが大事。すると、筋肉と脳をつなぐ伝達能力がアップし、脳細胞の活性化が期待できるとされています。

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