「認知症のこわさと対策を現場で働く人の声から知る」をコンセプトに、全国で介護サービスを展開するケアパートナーに入社した三島卓さん(33歳)にインタビューをしました。
介護保険施設・事業所において、質の高い認知症支援・技術を普及させることを目的とした「認知症介護実践者研修」を3年前に修了し、現在はケアパートナー五香(ごこう)というデイサービスのセンター長を務めているプロフェッショナルです。
それまで「認知症」というひとくくりにしてしまっていたものが、「アルツハイマー型認知症」「前頭側頭型(ぜんとうそくとうがた)認知症)」「レビー小体型認知症」など、いろんな種類があることを知りました。
それぞれ当然出やすい症状が違います。こういった情報を「知る」ことで、症状とその方一人一人に合わせた対応をすることができるようになりました。
わたしはセンター長という立場なので、たとえばスタッフに「お客さまに話しかけたらすごく驚かれた」という話をされたとき、「認知症の方は視野が狭いから、横から話しかけるとビックリするかも」とアドバイスができるようになりました。
同窓会に行って、「あの人誰だっけ!」となることは誰にでもありますが、認知症の場合は、「同窓会に行った」ことも忘れてしまう。そのエピソードごとすっぽりと抜けてしまいます。
あと、物忘れの場合は、失敗したエピソードを話すこともできますが、どこかに恥ずかしいという思いがあるのでしょう、認知症の場合は隠そうとすることが多いですね。
よく「上から押さえつけるような言い方をしない」「その人の気持ちに寄り添って」なんて言いますが、ご家族の方は365日24時間接していらっしゃっていて、お休みがありません。
強い口調になってしまうことも当然出てきてしまうと思います。
地域のサポートを活用して、相談窓口を見つけ、できる限り一人で悩まないことが大事です。
そのための私たちのようなサービスもあるので。
軽度認知症は、何もしないと約半分の方がそのまま認知症になってしまいます。
認知症も症状は様々で、時期にもよるのですが、「混乱期」というアルツハイマー型認知症の初期では、イライラや暴力などの行動が見られやすいです。
ご家族の方の負担も大きくなりますので、本当に早期に気が付くか、気が付いて対策できるかが大事ですね。
「病院に行こう」と急に言われると、抵抗がある方が多いかもしれません。
お住まいの地域に認知症のサポートプログラムがあると思いますので、まずは相談してみることから始めるのもいいのではないでしょうか。
「○○市 認知症 サポート」と検索すると色々でてくるはずです。
認知症の方専門のセンターでは、「回想法」「公文式」などを取り入れていました。あとは毎日のお菓子作りをみんなでやったり、地域の中学生と交流して外に出る機会を増やしていました。
公文式は間違えても100点で、「よくできた!」と褒めるものなので、すごくいいですよ。
「どこまでできた」「今回はここまでできた」というのもわかりやすいです。
薄味にしたり、すごく細かく切ったりということに意識が向きがちですが、認知症になると味覚が低下してしまいます。
出汁の味、お酢の味など、「しっかりはっきりした味」を楽しんでいただけるように意識するのがいいと思います。
柔らかさ、大きさなども、やりすぎてしまうと、どんどんそれに慣れてきて、自分でできることが減ってしまうので、やりすぎも厳禁です。
運動は、日常生活の中で自分でできることをすること、あとはお好きな運動でいいと思います。
地域のサポートを事前に調べておく、早めに専門機関で検査をしてもらうことはもちろんですが、毎日日記を書いてみることをおすすめしています。
これは軽度認知症の予防にもいいと思っているのですが、思い出すこと、頭を使うこと、それを記録していくことで、自分が思い出せることと思い出せないことなどが整理できます。
毎日ではなくても、「2日前の日記を書いてみる」でもいいと思います。
引用元:ケアパートナー公式HP(https://www.care-partner.com/)
ケアパートナー株式会社は、介護サービスと保育サービスを2軸に展開。どちらの事業も「人」を基軸に、質の高いサービスの提供に努めています。
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