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50代

50代で起こる「物忘れ」には重大な病気(若年性認知症)が隠れていることがあります。ここでは、厚生労働省の調査結果を元に「物忘れ」の実態について解説していきます。

50代の物忘れについて、
認知症センター・豊田院長の見解

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監修者:豊田早苗院長
50代の物忘れには「しりとり」が効果的

50代になってくると、前頭葉の働きがさらに低下し、記憶のアウトプットつまり思い出す力が明確に衰えます。加えて、記憶のインプットに関与している海馬の働きも低下し始めます。

そんな50代の物忘れの特徴は、「人の名前や物の名前がなかなか出てこない」といった物忘れです。

こうした物忘れを防ぐ方法としては、「しりとり」トレーニングが効果的です。たとえば、「か」から始まる言葉で、しりとりをできるだけ長く続けるといったことを行います。

「しりとり」は、指定された文字で始まる言葉をつなげていく言葉あそびです。「しりとり」では、たくさんの言語記憶として保存されている情報のなかから、適切な言葉を選び出すことが要求されますので、前頭葉が司る記憶のアウトプット、とくに言語想起の訓練になります。

監修者・豊田早苗医師について
とよだクリニックの院長兼、認知症予防センターのセンター長で、講演会実績も多数あり。著書には、「日本全国ご当地自慢脳トレブック」、「認知症予防ハンドブック」など、認知症予防に関する数多くの書籍を執筆。「病気を診るのではなく、人を見る」を理念に掲げ、患者さん一人ひとりに手厚いサポートを行なっています。総合診療医学会・認知症予防学会に所属。
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50代の物忘れデータ

厚生労働省の「若年性認知症の実態等に関する調査結果(2009年3月調査)」では、全国における認知症者数は3.78万人、そのうち50代の患者が1.617万人です。実に40%以上が50代という計算になります。

このデータによると、若年性認知症の推定発症年齢の平均は51.3±9.8歳(男性51.1±9.8歳、女性51.6±9.6歳)。50代で「物忘れ」を放置しておくと危険なことがよくわかります。

アルツハイマー型認知症の初期症状

50代でとくに多いアルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドβやタウと呼ばれる特殊なたんぱく質が溜まり、神経細胞が死んでしまい減っていくために認知機能に障害が起こる病気です。

初期症状で現われるのが、「物忘れ」「判断力の低下」「見当識障害(日付や時間の感覚がわからなくなる症状)」です。

50代に特有の「更年期」と「物忘れ」

50代の「物忘れ」には「若年性認知症」のほかに「更年期」があります。

男性も女性も年齢とともにホルモンバランスが崩れていきます。その時に起こる「更年期症状」のなかにも「物忘れ」がありますが、テストステロン減少が原因の「男性更年期障害(LOH症候群)」も、女性のエストロゲン減少が原因の「更年期障害」も、ホルモン治療で緩和することができるので、病院で受診することをおすすめします。

50代の「物忘れ」10のチェックリスト

ここでは、あなたの症状が「認知症」かどうかをチェックしてみましょう。(参照:長谷川式認知症スケール)

  1. 今、何歳ですか?
  2. 今日は何月何日何曜日?
  3. 今、あなたがいるのはどこですか?
  4. 朝食に何を食べましたか。
  5. 机の上にあるものを5つ引き出しにしまってください。1分後、引き出しにしまったものは何か答えてください。
  6. あなたが好きな3つのものを頭に浮かべてください。
  7. 例えば「バラ」「犬」「自動車」 「ウサギ」「桜」「ネックレス」など

  8. 100から7を順番に引いてください。答えから次々に7を3回引くといくつ?
  9. 好きな4桁の数字を頭にならべてください。その数字を後ろから順に言ってください。
  10. 知っている野菜の名前を1分以内に10個挙げてください。
  11. 6で思い浮かべたものの名前をもう一度言ってみてください。

10項目について、スラスラ答えられたら問題ありません。少しでも詰まったり、まったく思い出せないという場合はなにかしらの対策が必要な可能性があります。

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早期発見の3つのメリット

認知症の早期発見のメリットは3つあります。

症状が軽いうちに今後の生活の準備をすることができる

本人や家族が認知症を理解し、介護保険サービスなどを利用すれば、症状が悪化しても、生活上の支障を減らすことができます。

治る認知症もある

正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症、血管性認知症など、早めに治療すれば改善が可能なものがあります。

進行を遅らせることができる

治療薬の開発が進んでいるアルツハイマー型認知症の場合、早い段階からの服薬等の治療をすれば、症状を遅らせることができます。

認知症は早期発見できれば対処方法があるので、心配な方は病院で検査してください。